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最適な「動線」とは②

最適な「動線」とは②

前回の記事に引き続きまして、改めて「自分の家を設計」する段階になった時の「最適な動線」のあり方、考え方について重要だと思うところを書いて行きたいと思います。

まず最初に・・・実際の間取りにおける設計上の「動線」について、どんな動線形状を採用するのか?どんな配置計画にするべきか?という問題を考える上で・・・そもそも、大多数の住宅会社・ハウスメーカーでは設計担当が在籍し、その担当者がプランを企画・検討・設計した上で、その後に間取り・プランをお客様へ「提案」する、という方法で設計の打合せを行っています。ですから、お客様がご自身で間取りを設計しないこのようなケースの場合、「動線配置」についても同じく、お客様が主体性を持って計画する訳では無いと言えます。

もちろん事前に、「〇〇の部屋同士を近づけて配置して欲しい」とか「〇〇のスペースを通り抜けられるようにして欲しい」などといった「設計要望」としての動線配置の意向を、住宅会社や設計担当者へ伝えはしますし、プラン提案後でも、気になる配置や動線の箇所があれば指摘をして、プランを一部修正して貰う、という事は当然しますが、「ご要望」や「ご指摘」から間取りにおける「適切な動線」とは何か?を実際に考察し、プランの中にどう落とし込むか、及び修正を加えるかを最終判断するのは「設計者」です。

ですから逆説的に考えると、機能性・利便性が高く、使い勝手の良い「動線」を有する素敵でお洒落なマイホームをつくる為には・・・最短距離で考えると、「優秀な設計者」と出会い、「その設計者に間取りを設計して貰う事」がとても重要です。

 

そこでまずは「優秀な設計者」と、いかに出会うかについて・・・これはとても簡単です。その秘訣は・・・住宅会社・ハウスメーカー各社の「設計者のスキルを比較」すれば良いだけです。と書くと、どうやって比較するのか?となりますが、次に書かせて頂く事を是非やってみて下さい。

まず、検討中の住宅会社各社の営業担当者にお願いをして、「過去に実際に建てた住宅(実棟)の建物図面を3~5物件程度見せてもらう」ように依頼をして下さい。そして、これを比較・検討中の住宅会社各社ごと、それぞれに依頼をしましょう。ちなみに、ここで書く「建物図面」とは、住宅会社のカタログとかパンフレットや冊子に掲載されている物件の間取りの事ではありません。一般のお客様が実際過去に建てられて現在住んでいる物件の間取り・図面の事を指しています。そんな建物の工事用の図面でも良いですし、お客様への提案の際に実際に使われたプレゼン図面なら尚良し、でしょうか。

カタログや冊子に掲載されている物件は、展示場やモデルハウスの建物がメインとして掲載されているケースも多く、モデルハウスは優秀な外部の設計事務所へ外注設計をし、通常物件の建物は自社の設計士が設計、というケースも実際は多数あるので、情報としてはあまり役に立ちません。必要なのは「実際自分が設計・提案を受ける際に対応してくれる設計者のスキル比較」ですから。

また併せて、ご自身が希望しているマイホームの「設計要望の要素」を織り込んで図面を見せてもらうように依頼すると良いでしょう。例えば、「30坪」の「平屋」とか、「2階建て」の「2世帯住宅」とか、主となる要望ワードを織り込んで、お題をつけ、「過去の類似の物件の図面を3~5件程見せて欲しい」と依頼をすれば、次回のお打合せの際でも、過去の物件の図面を見せて貰える事になると思います。(※間取りには、コンプライアンスやプライバシーの問題が生じるので、通常他のお客様へ図面等の資料は渡せません。なので、あくまで「見せてもらうだけ」です)

これで何がしたいのかと言うと・・・建物のプラン・図面には「設計者の力量が如実に表れ」ます。本当に能力の高い設計者が描いた建物の図面は、プロが見ても、素人が見ても、パッと見ただけで、「何故か分からいけど、本当に綺麗な間取り・図面だな」と素直に、感覚的に感じ取る事が出来ます。また、細部まで整然とお部屋やスペースが配置されているのも併せて見て取れます。このような間取りにおいて、プラン上の「動線」を良く観察してみると、しっかり検討された、「緻密で使いやすい動線解」が描かれているケースがほとんどです。

 

一方、設計者に実力が無い場合、お部屋が乱雑に配置されていたり、無駄で不思議な謎空間が多数あったり、建物がボコボコと歪になっていたりと、図面自体が・・・少し語弊があるかも知れませんが、とても汚いです(笑)そして、図面上で汚い建物が完成後に綺麗な建物に化ける、となる事がある訳も無く・・・そして「動線」の配置計画も大抵、歪でチグハグな物となっています。これは私達の経験則上ではありますが、図面上で美しい配置の建物は、新築完成後も美しく、機能的で使いやすい。でも、図面上で汚い建物は完成後も歪な上に、使い辛く住みにくいです。

このようにして、住宅会社の各社から過去物件の図面を見せてもらい、10社でも比較しようものなら、30~50物件もの図面を見る事になります。そうすると、住宅会社それぞれに、設計陣に結構な力量の差がある事に気づいてしまうでしょう。多少面倒臭い作業ではありますが、一生に一度の大事なマイホームですから、やってみて何ら損は無いかと思います。また、実際にやってみると、ここで書かせて頂いている事についても、少なからずご納得頂けるのではないでしょうか(笑)そして、最終的には、汚い図面を見せられた住宅会社ではなく、一番流麗な図面を見せてくれた住宅会社を家づくりの、設計のパートナーに選びましょう(笑)そして、そんな住宅会社はあなたご自身のご自宅の設計・提案の際にも、ちゃんと優れたプランを提案してくれるはずですし、使いやすい、暮らしやすい「動線」をちゃんと企画・設計してくれる事になるでしょう。

 

また、参考までに・・・何を根拠にこのような事を書いているか、というと、私達が日頃目にする「建築家」の先生がプランニング・設計した図面です。「優秀な建築家」の先生が設計した図面と、例えば「設計に不慣れな営業マン」や「経験の浅い設計部の人」「プランが下手な建築士」が設計したプランを見比べた時に・・・本当に・・・見るからに全然違う!! 同じ「プラン」と一括りにするのが本当に失礼で申し訳ない(汗)と感じてしまうぐらい、前者の「建築家」の先生が書く図面、本当に、見た目からして綺麗なんですよね!! そして動線の解も本当に見事で美しい!! 一方、後者が設計した図面の場合は・・・「あぁ・・・はい・・・。」(内心、何だコレは・・・?)という感想しか出て来ない図面になってたりします。

ですから「美しい図面である」という事実は、逆に考えれば、どれだけ「緻密な設計をしたか」の裏返しでもあり、もちろん至極当然のように、お客様の各種のご要望や、敷地形状、敷地面積、日当たり、周囲の眺望、建物構造、法的規制などの諸条件に加え、「最適な動線解」を緻密に紐解いて建物プランに落とし込んだからこその結果・成果であると言えるのではないでしょうか。

つまりは、最適な「動線」を考える上で=「優秀な設計者を選定」し「優秀な設計者にプラン作成を依頼」する事が最も重要であり、本当に欠かせないスキームになります。是非皆さんも、本当の意味で自分に最適な「動線」を提案してくれる「優秀な設計者」「住宅会社・ハウスメーカー」をしっかり比較しましょう。

本当は、最適な「動線」を紐解く上で、もう一つ考えておくべき大事な要素があるのですが、これは次回の記事で改めてアップさせて頂きたいと思います。