先程は建物面積について書きましたが、建物面積=建築費とは言ったものの、実際に建物の予算に関係する、設計上の物理的なお話として、「平屋」なのか「2階建て」なのかによっても予算上大きな違いが出ます。
皆様にこのお話をすると、大抵「何でですか?建物面積同じなのに・・・」といった感じで怪訝そうな反応を返される事が多いです。
その時は通常こんな感じの絵を書いてご説明します。
これは建物を真上から見下ろした時です。総2階で30坪の家と平屋建てで30坪の家。上から見た時の面積に違いが生じます。という事は・・・単純なお話で、基礎の施工面積が2倍、屋根材や屋根の断熱材などの施工面積も2倍になるという塩梅です。もちろん2階建てに比較すると平屋の方が一部の外壁面積は減少するのも事実ですが・・・。
でも基礎や屋根・断熱材が占める工事費割合は決して低いものでは無い為、全く同じ仕様で同じように建物を建てた場合、総2階の家と平屋の家を比較した場合、工事費で300万円前後、平屋の方が高くなる実感はあります。またその分、消費税の額も大きくなるので、より高くなった印象を受けてしまいます。
それであれば、安くする為に総2階の家を計画し、建てれば良いではないか!!と思われる方も多いとは思いますが、これがまた意外と難しいものなのです。これは総2階建てを検討して良い、と仰られるお客様と間取りを具体的にヒアリングして、計画する時に悩む事が多いのですが、それぞれのお部屋をどこに配置するか?というお話をお客様とする時に、大概こんな感じのやりとりになります。
営業:それでは、個々のお部屋を1階なのか、2階なのか、今〇〇様がお考えの配置を教えて下さい。
お客様:はい。分かりました。
営業:まずは玄関、玄関ホール、シューズクローゼットは必然的に1階になりますね。
お客様:はい。
営業:それではリビングはどうでしょう?最近は2階リビングも開放的で室内が明るくなる間取りとして大変好評ですよ。
お客様:いや・・・それは絶対無いですね。リビングはもちろん1階です。リビングから繋がるウッドデッキもお願いします。
営業:そうですか・・・分かりました。では水回りはどうでしょう?洗面とか脱衣とかお風呂とか。これも2階に配置する事もあって、意外と家事動線が集約されるので、結構便利ですよ?
お客様:いや~。それは無いかな・・・1階でお願いします!!あと、キッチンと水回りは近づけて下さい。脱衣室と洗面室は別で、あとランドリールームが欲しいです!!これは脱衣室と兼用しても良いので・・・あ!!あとランドリールームに併設した大き目のファミリークローゼットをお願いします。
営業:分かりました。因みにお風呂はユニットバスで1坪サイズが一般的ではありますが、〇〇様は如何でしょう?
お客様:洗い場広い方が良いので、少し広めでお願いします!!
営業:ではユニットバスの1.25坪サイズですかね?他に必要な部屋はどうなのでしょうか?
お客様:和室が欲しいです。リビングに併設して下さい。和室には布団をしまえる収納と、いざという時の仏壇スペースですかね・・・。あとはキッチンの横か裏の見えない所にパントリー収納が欲しいです!!
営業:分かりました。その他としてはおトイレですかね・・・1階と2階共にトイレはご入用でしょうか。
お客様:はい!!1階と2階それぞれでお願いします!!
営業:寝室関係はどうですかね・・・主寝室と子供室2部屋ですかね・・・さすがにこれは2階で・・・?
お客様:2階で大丈夫です。それぞれのお部屋には収納をしっかり確保してして貰えると嬉しいです。
営業:うーん・・・1階のボリュームが結構大きいですね・・・やはり2階リビングとか検討は出来ないでしょうかね・・・。
お客様:・・・いや~・・・やっぱりそれは絶対無いですね。
営業:・・・そうですか・・・。
というやり取りが結構な割合で生じます。これを単純な面積で計算して行くとこんな事になります。
【1階の所要室】
・玄関1.5帖、玄関ホール1.5帖、シューズクローゼット3帖、LDK20帖、和室4.5帖、和室収納と仏壇スペース1.5帖、キッチンパントリー2帖、洗面室1.5帖、脱衣兼ランドリー3帖、ファミリークローゼット3帖、UB1.25帖、1階トイレ1帖、階段スペース2帖
→しめて合計45.75帖(約22.8坪)※廊下は除く Continue reading